施工管理アプリおすすめ14選|人数別の3年総額で比較
施工管理アプリは、現場の写真・図面・工程表・日報・職人さんとの連絡を、スマホとパソコンで1か所にまとめる道具です。電話とFAXと紙の工程表で回してきた現場でも、協力会社との「言った・聞いていない」が減り、事務所に戻ってからの整理が軽くなります。
ただ、比べ始めると手が止まりやすいのも施工管理アプリです。14製品のうち7製品は料金を公開していません。公開している製品も、1社でいくらの製品と、1人ごとにいくらの製品が混ざっています。月額だけを並べても、自社の人数でいくらになるのかが見えてきません。
そこで当サイトでは、公開されている料金から、1人・5人・10人・20人で3年間使ったときの総額を計算しました。料金の数え方の違い、無料で使える範囲、製品ごとの向き不向きも、各社の公式サイトに書かれている内容(2026年10月16日に確認)だけで並べています。
この記事でわかること(目次)
施工管理アプリとは?できることと導入のメリット
施工管理アプリとは、工事の「工程・品質・安全・原価」を管理する仕事のうち、現場と事務所のあいだで行き来する情報をスマホで扱えるようにしたものです。施工管理システム、施工管理ソフト、現場管理アプリとも呼ばれます。呼び方は違っても、中身の重なりは大きいです。

一般には、中小の建設会社の現場は紙と電話とExcelで回っています。この形でも現場は回ります。ただ、連絡の行き違いと、二度手間の入力が少しずつ積み上がっていきます。下の図は、その違いを仕事ごとに並べたものです。
紙・電話・Excel
- 工程表は印刷して配り、変更のたびに電話
- 写真は夕方に事務所で取り込み、手でフォルダ分け
- 紙の図面を持ち歩き、最新版が分からなくなる
- 職人さんとは電話か個人のLINE
- 日報は紙で書き、月末に手で集計
施工管理アプリ
- 工程表を直すと関係者に通知が届く製品がある
- 撮ると現場ごとに自動で保存される
- クラウドの図面をスマホやタブレットで見る
- 現場ごとのチャットで、既読が分かる
- スマホで入れた日報をCSV(表計算ソフトで開ける一覧のファイル)で出せる
施工管理アプリと施工管理システム・施工管理ソフトの違い
施工管理アプリと施工管理システムの違いは、主に「どこで使う前提か」です。アプリはスマホやタブレットで現場の人が使う前提、システムやソフトはパソコンで事務所の人が使う前提の言い方として使われることが多いです。ただ、今はスマホのアプリとパソコンのブラウザの両方で使える製品が多く、境目はほとんどありません。
比べるときは、呼び方より「現場の人がスマホで使う画面があるか」「事務所のパソコンで集計できるか」の2点を見ると、自社に合うかが判断しやすくなります。
施工管理アプリのメリット
施工管理アプリのメリットは、大きく3つに分けられます。1つ目は、連絡が1か所に残ることです。電話だと話した中身が残りませんが、チャットなら誰がいつ何を見たかまで後から追えます。
2つ目は、事務所に戻ってからの作業が減ることです。現場で撮った写真がその場で現場ごとに分かれ、日報もスマホで入れておけば、夕方の取り込みと月末の転記が要らなくなります。
3つ目は、最新版の取り違えが減ることです。工程表や図面を直したら、全員が同じものを見られます。古い紙を見て段取りを組んでしまう失敗は、どの現場でも一度は起きているはずです。
反対に、気をつけたい点もあります。職人さんや協力会社の全員が使ってくれないと、電話とアプリの二重運用になります。料金の数え方によっては、人を招待するほど費用が上がります。この2つは、あとの節で製品ごとに詳しく見ていきます。
施工管理アプリのおすすめ14選を一覧で比較
施工管理アプリのおすすめを選ぶ前に、14製品の違いを1つの表で見ておきます。並び順は、料金を公開している製品が先、公開していない製品が後です。お金をもらって順番を変えることはしていません。
| 製品 | 料金の数え方 | 料金(公式の表記) | 対応 | 得意なこと |
|---|---|---|---|---|
| クラフタ | 無料 | 無料(全機能・広告あり) | iOS・Web | チャットで送った写真が現場ごとに自動で整理 |
| ダンドリワーク | 1社定額 | 月¥15,000〜(1社) | Web | 元請と協力会社の工程・図面・受発注の共有 |
| eYACHO | 1人(1台)ごと | 年¥28,800/ライセンス(最小5) | iOS・Android・Windows | 手書きの野帳・図面・電子小黒板の写真 |
| 現場ポケット | 1社定額 | 月¥13,500(1社・年間契約) | 公式に記載なし | 日報・写真・工程・報告書を人数無制限で |
| ミライ工事 | 1人(1台)ごと | 月¥2,750/人(法人・5人から)・無料版あり | iOS・Android・Web | 黒板付き写真と台帳、点検表の施工管理 |
| PRODOUGU | 本体+人数分 | 年¥60,000(本体・人数無制限) | iOS・Windows | iPadで図面・写真・配筋や仕上の検査 |
| サクミル | 1社定額(人数込み・超過分は追加) | 月¥9,800〜(1社・20アカウントまで) | 公式に記載なし | 見積・原価・請求・日報・出面をまとめて |
| ANDPAD | 公開なし | 公開なし | iOS・Android | 工程表の変更通知・黒板・写真台帳・受発注まで1つに |
| アーキLink | 公開なし | 公開なし | Web | 案件・ファイル・帳票・分析をExcelに近い操作で |
| CAREECON Plus 施工管理機能 | 公開なし | 公開なし | iOS・Android・Web | 工程表・出面・写真台帳。URLで相手に共有 |
| KANNA | 公開なし | 公開なし | iOS・Android | 工程表・報告書・チャット。他社アカウント無制限 |
| Kizuku | 公開なし | 公開なし | iOS・Windows | チャット形式のトークと図書・写真の共有 |
| Photoruction | 公開なし | 公開なし | Web・iOS・Android | ネットワーク工程表・図面・検査・事務の外注 |
| SPIDERPLUS | 公開なし | 公開なし | iOS・Web・Windows | 図面を軸にした検査・帳票・試験の記録 |
表:施工管理アプリ14製品の比較(各社公式サイト、2026年10月16日確認)。「公式に記載なし」は対応していないという意味ではありません。OSは公式ページで確かめられたものだけを書いています。
一覧を見ると、14製品は3つの型に分かれます。1つ目は、写真と連絡を軸にした型で、クラフタ・現場ポケット・Kizuku・KANNAがここに入ります。2つ目は、工程と図面と検査まで深く扱う型です。ANDPAD・Photoruction・SPIDERPLUS・PRODOUGU・eYACHOが当てはまります。3つ目は、見積や原価などお金まわりまで扱う型で、サクミルとアーキLinkです。
ポイントはここです。自社が一番困っていることがどの型に当たるかで、見る製品が半分以下に絞れます。職人さんとの連絡が困りごとなら1つ目、検査や図面の管理なら2つ目、現場ごとの利益が見えないなら3つ目から見るのがよいです。
工程表だけを作りたい場合は、工程表アプリのほうが合うこともあります。写真に電子小黒板を入れて台帳まで作りたい場合は、電子黒板アプリの比較も見ておくと選びやすくなります。
施工管理アプリはいくらくらい?料金の数え方は1社定額と1人ごとの2つ
施工管理アプリの料金は、月額の数字より先に「何に対して払うのか」を見るほうが、比べ間違いが少なくなります。数え方が違う製品を月額だけで並べると、5人の会社と30人の会社で答えが逆になるからです。
当サイトに載せている14製品の料金を、公式の料金ページの書き方で分けると次のようになります。
| 料金の数え方 | 数 | 製品 |
|---|---|---|
| 公開なし | 7製品 | ANDPAD、アーキLink、CAREECON Plus 施工管理機能、KANNA、Kizuku、Photoruction、SPIDERPLUS |
| 1社定額 | 2製品 | ダンドリワーク、現場ポケット |
| 1人(1台)ごと | 2製品 | eYACHO、ミライ工事 |
| 無料 | 1製品 | クラフタ |
| 本体+人数分 | 1製品 | PRODOUGU |
| 1社定額(人数込み・超過分は追加) | 1製品 | サクミル |
表:当サイトに載せている14製品を、公式の料金ページの書き方で分けたもの(2026-10-16〜確認)。
料金を公開していない製品が7製品あります。どれも「問い合わせ」「見積もり」「資料に記載」のどれかで、推測で金額を置くと比べ方がゆがみます。そのため当サイトでは、公開されていない製品の総額は計算していません。
1社定額
- 会社で1契約。何人招待しても月額は同じ(例:現場ポケット)
- 基本料金に人数が込みで、超えた分だけ足す形もある(例:サクミル)
- 職人さんや協力会社を多く招待する会社に向く
1人ごと
- 使う人の数に比例して増える(例:ミライ工事・eYACHO)
- 最低の人数(5人から等)が決まっている製品がある
- 少人数で始めて、使う人だけに広げたい会社に向く
1社定額:人が増えても料金が変わらない
1社定額は、会社で1つの契約をすれば、何人招待しても月額が変わらない数え方です。現場ポケットは、アカウント数・データ容量・現場数が無制限で月¥13,500(1社・年間契約)と公式に書かれています。サクミルは基本料金に20アカウントまで込みで、21アカウント目から1つずつ足していく形です。協力会社のアカウントは数えないと書かれています。
この数え方が向いているのは、職人さんや協力会社をたくさん招待したい会社です。人を増やすたびに費用を気にしなくてよいので、全員に入ってもらいやすくなります。
1人ごと:使う人の数だけ払う
1人ごとの数え方は、使う人の数に比例して料金が増えます。ミライ工事の法人プランは1人あたりの月額で、5人から契約できます。eYACHOは1ライセンスごとの年額で、最小5ライセンスからです。少人数で始めて、使う人だけに広げたい会社には分かりやすい形です。
注意したいのは、最低の人数です。1人で使いたくても、5人分から払う決まりの製品があります。表の「1人」の列と「5人」の列が同じ金額になっている製品は、この最低人数で計算しているためです。
本体+人数分、見積もりの製品
PRODOUGUは、本体の年額に、スマホで撮る人の数だけモバイルアプリのライセンスを足す形です。ダンドリワークは初期費用と月額の下限だけが公開されていて、人数に合わせて提案する形なので、人数で増える分は分かりません。
料金を公開していない製品の中にも、数え方だけは書かれているものがあります。KANNAは自社アカウント10からのプランで、他社アカウントは無制限です。Photoructionは利用者数に応じた月額で、メールアドレス1つで1人と数えます。見積もりを取るときは、この「何を1と数えるか」を最初に聞くと話が早く進みます。
各社の料金ページはここから確かめられます。ダンドリワークの料金/eYACHOの料金/現場ポケットの料金/ミライ工事の料金/PRODOUGUの料金/サクミルの料金
施工管理アプリを人数別の3年総額で比べる
施工管理アプリの総額は、料金の数え方と人数の掛け算で決まります。料金を公開している7製品について、1人・5人・10人・20人で36か月(3年)使ったときの総額を計算しました。
| 製品(料金の数え方) | 1人 | 5人 | 10人 | 20人 |
|---|---|---|---|---|
| クラフタ 無料 | ¥0 | ¥0 | ¥0 | ¥0 |
| ダンドリワーク 1社定額 | ¥740,000 人数の増額は公開なし | ¥740,000 人数の増額は公開なし | ¥740,000 人数の増額は公開なし | ¥740,000 人数の増額は公開なし |
| eYACHO 1人(1台)ごと | ¥475,200 | ¥475,200 | ¥950,400 | ¥1,900,800 |
| 現場ポケット 1社定額 | ¥534,600 | ¥534,600 | ¥534,600 | ¥534,600 |
| ミライ工事 1人(1台)ごと | ¥35,640 | ¥495,000 | ¥990,000 | ¥1,980,000 |
| PRODOUGU 本体+人数分 | ¥349,800 | ¥825,000 | ¥1,419,000 | ¥2,607,000 |
| サクミル 1社定額(人数込み・超過分は追加) | ¥388,080 | ¥388,080 | ¥388,080 | ¥388,080 |
表:36か月使ったときの総額を、人数を変えて計算したもの(税抜の製品は1.1倍して税込に揃えた。税の記載が無い製品はそのまま)。太字はその人数で一番安い製品。当サイトが各社の公開料金から計算した概算で、オプション・端末・導入支援は含まない。料金を公開していない7製品は載せていない。
無料のクラフタを除いて読むと、一番安いのは1人ではミライ工事(¥35,640)、5人・10人・20人ではサクミル(¥388,080)です。人数が増えると、一番安い製品が入れ替わります。
差が一番はっきり出るのは、1社定額と1人ごとの比べ方です。1社定額の現場ポケットは、1人でも20人でも¥534,600のまま動きません。1人ごとのミライ工事は、1人なら個人向けのベーシック版で¥35,640ですが、20人では¥1,980,000まで増えます。
横棒は5人の場合です。表の20人の列と見比べると、1人ごとの製品は人が増えるほど大きく伸び、1社定額の製品はほとんど動かないのが分かります。
この2つが入れ替わる人数も、表の元の料金から計算できます。36か月使う場合、現場ポケットは6人以上でミライ工事より安くなります(6人で¥534,600と¥594,000)。
サクミルと比べた場合も同じです。36か月使う場合、サクミルは5人以上でミライ工事より安くなります(5人で¥388,080と¥495,000)。ただし、サクミルは見積・原価・請求が中心で、電子小黒板や写真台帳は公式の機能一覧に見当たりません。総額だけでなく、写真の扱いが足りるかを一緒に見ておくのがよいです。
1社定額どうしでも、人数が多いと順番が変わることがあります。36か月使う場合、現場ポケットは24人以上でサクミルより安くなります(24人で¥534,600と¥546,480)。サクミルは21アカウント目から1つずつ足していく形なので、社員がとても多い会社では、人数に関係なく同じ額の製品のほうが安くなる場合があります。
総額を見るときの3つの注意
1つ目は、税の扱いです。表は、税抜の製品だけ1.1倍して税込に揃えています。ダンドリワークのように税込か税抜かの記載が無い製品は、そのままの数字です。
2つ目は、表に入っていない費用です。初期費用の一部、オプション、導入時のサポート、端末の代金は、公開されていないものが多く、表には入れていません。現場ポケットの初期サポート費用は「要相談」と公式に書かれています。
3つ目は、「何人」を誰で数えるかです。協力会社を数えない製品と、数える製品があります。同じ10人でも、社員だけで10人なのか、職人さんを含めて10人なのかで総額が変わります。
計算の例:社員5人と、招待したい職人さん10人の会社
例として、社員5人の工務店が、よく来てもらう職人さん10人も招待したい場合を考えます。社員だけで数えるか、職人さんまで含めて15人で数えるかで、3年総額は次のように変わります。
| 製品 | 料金の数え方 | 5人で数えた3年総額 | 15人で数えた3年総額 |
|---|---|---|---|
| 現場ポケット | 1社定額 | ¥534,600 | ¥534,600 |
| サクミル | 1社定額(人数込み・超過分は追加) | ¥388,080 | ¥388,080 |
| ミライ工事 | 1人(1台)ごと | ¥495,000 | ¥1,485,000 |
| eYACHO | 1人(1台)ごと | ¥475,200 | ¥1,425,600 |
表:同じ会社でも、何人で数えるかで総額が変わる例(36か月・税込に揃えた概算)。ミライ工事は協力会社をフリーアカウントで無料招待でき、サクミルは協力会社のアカウントを数えないため、実際には5人の列で済む場合がある。
この表から分かるのは、「協力会社を料金に数えるか」が人数と同じくらい総額を動かすことです。1人ごとの製品でも、協力会社を無料で招待できるなら5人の列で比べてよいことになります。見積もりを取るときは、招待する人が料金に入るかどうかを必ず確かめてください。
見積もりを取るときに聞く5つのこと
料金を公開していない製品は、見積もりで同じ物差しにそろえます。聞くことは5つあります。何人・何年で使う前提の金額か。協力会社や職人さんのアカウントが料金に入るか。初期費用と操作説明会が別にかかるか。オプションに入る機能はどれか。最後に、契約の単位が月か年か、途中でやめたときにどうなるかです。
この5つの答えがそろえば、上の表と同じ形で3年総額を並べられます。記事の下にある「総額の比較表」では、人数と期間を動かして計算し直せます。社員の数と、招待したい人の数を分けて試すと、実際の金額に近づきます。
無料の施工管理アプリは?無料プランと無料トライアルの違い
無料の施工管理アプリを探すときは、「ずっと無料で使えるプラン」なのか、「決まった期間だけ無料で試せる」のかを分けて見ると、あとで困りません。アプリのダウンロードが無料でも、使うには有料の契約が要る製品もあります。
| 分け方 | 製品 | 無料の範囲(公式の記載) |
|---|---|---|
| 無料で使い続けられる | クラフタ | 全機能が無料。ツール内の広告で運営。人数の上限の記載なし |
| ミライ工事 | ミライ工事管理のフリー版は点検表のPDF出力など基本機能のみ。法人プランでも協力会社はフリーアカウントで無制限に招待できる | |
| eYACHO | 個人向けフリー版(iOSのみ、ノート1冊・10ページまで等) | |
| 期間を区切って無料 | サクミル | 2か月の無料トライアル。終わっても自動で課金されない |
| eYACHO for Business | 30日間の無料体験版 | |
| Photoruction | 全機能を無償で試せる(日数の記載なし) | |
| アプリは無料、使うには契約 | ANDPAD | アプリは無料。ANDPAD施工管理の契約が別に必要 |
| Kizuku | App Storeのアプリは無料、アプリ内課金あり。無料プランの記載なし | |
| 案内はあるが中身の記載なし | KANNA・現場ポケット | KANNAは「無料ではじめる」の案内、現場ポケットは「無料お試し」の案内があるが、範囲や期間は公式に書かれていない |
表:施工管理アプリの「無料」の中身(各社公式サイト、2026年10月16日確認)。ほかの6製品は、無料プラン・無料トライアルの記載が見つかりませんでした。
ずっと無料で、しかも全機能が使えると公式に書いているのは、14製品の中ではクラフタだけです。チャットに写真を送るだけで現場ごとに整理されるので、職人さんとのやり取りをまずアプリに移したい工務店には始めやすい製品です。一方で、工程表・電子小黒板・見積の機能は公式の記載に見当たりません。
無料トライアルで試すなら、サクミルの2か月は長めです。1か月目に入力の練習をして、2か月目に月末の締めまで通せます。どの製品で試す場合も、トライアルが終わったあとに無料の間のデータを引き継げるかを、申し込む前に聞いておくと安心です。
無料の施工管理アプリで足りる会社、足りない会社
無料のままで足りやすいのは、社員が数人で、困りごとが「職人さんとの連絡と写真の整理」に絞れている会社です。チャットと写真のフォルダ分けだけなら、無料の製品でも毎日の手間ははっきり減ります。
反対に、工程表を協力会社と共有したい、公共工事で電子小黒板を使いたい、見積や原価までつなげたい、という会社は無料の範囲では足りないことが多いです。その場合は、無料の製品で1か月だけ「アプリで連絡する習慣」を作り、そのあと有料の製品へ移る順番にすると、職人さんが慣れた状態で切り替えられます。
施工管理アプリで人気なのは?ランキングを見る前に知っておきたいこと
施工管理アプリの人気を、公的な統計で比べられる数字はありません。比較サイトのランキングは、資料のダウンロード数や掲載料など、そのサイトの基準で並んでいます。並びが媒体ごとに違うのはそのためです。
当サイトでは、人気の目安として「製品名がどれだけ検索されているか」を見ました。名前で探されている回数で見ると、ANDPADが頭ひとつ抜けています。
ラッコキーワードで2026年10月16日に調べた月間の検索数は、アンドパッドが33,100回、ダンドリワークが8,100回、現場ポケットが1,600回でした。検索数は知名度の目安で、満足度や自社に合うかどうかを表すものではありません。
ただ、名前が知られていることと、自社に合うことは別の話です。ANDPADは料金を公開しておらず、総額は見積もりを取るまで分かりません。協力会社が多い大きめの会社に向く機能がそろっている一方で、数人の工務店が写真の整理だけをしたいなら、もっと小さな製品で足りることもあります。
施工管理アプリのランキングを使うときのコツ
ランキングは、候補を知るための入口として使うのがよいです。上位に出てくる製品の名前を控えたら、この記事の一覧で料金の数え方を見て、自社の人数で総額を当ててみてください。上位の製品が見積もり制なら、料金を公開している製品を1つ並べておくと、出てきた見積もりが高いのか安いのかを判断しやすくなります。
もう1つの見方は、自社と同じ工種の会社が使っているかです。人気の製品でも、得意な工種は製品ごとに分かれています。
施工管理アプリの一覧を工種で見る
各社の公式サイトに、対象の業種や導入している会社の工種として書かれているものを並べました。書かれていない製品は、使えないという意味ではありません。
| 製品 | 公式に書かれている工種・対象 |
|---|---|
| ANDPAD | 建築・設備・リフォーム |
| アーキLink | 工務店・リフォーム・専門工事・ゼネコン |
| ダンドリワーク | 新築・リフォーム・専門工事 |
| eYACHO | 建築・土木・設備・プラント・橋梁・鉄筋・高速道路メンテナンス |
| 現場ポケット | 塗装・リフォーム・板金 |
| KANNA | 原状回復工事 |
| ミライ工事 | 建築・土木・設備・電気・リフォーム・解体・塗装・内装・外装・防水・外構・造園・アスベスト除去 |
| Photoruction | 建築・土木・設備 |
| PRODOUGU | 建築 |
| サクミル | 内装仕上げ・とび・解体・土木・電気・機械器具設置・設備・塗装・総合工事 |
| SPIDERPLUS | 建築・空調衛生設備・電気設備・プラント・工場設備 |
表:施工管理アプリの対象の工種(各社公式サイトの対象業種・導入事例の記載から、2026年10月16日確認)。CAREECON Plus 施工管理機能・クラフタ・Kizukuは、工種の記載が見つかりませんでした。
工種で見ると、建築と設備に強い製品が多く、土木まで書いている製品は限られます。塗装・リフォームのように民間の小さな工事が多い会社は、工種がはっきり書かれている製品から試すと、画面の言葉や帳票の形が合いやすくなります。
施工管理アプリ14製品の特徴|KANNA・Kizuku・ANDPADなど
施工管理アプリの14製品を、どんな会社に向くかが分かるように1つずつ整理しました。料金と対応OSの細かい内容は、製品名のリンク先にまとめています。
ANDPAD(アンドパッド)
工程表・チャット・図面・電子小黒板・写真台帳・検査・受発注までを1つにまとめた製品です。工程表をスマホで直すと関係者に自動で通知が届き、最新版を配り直す手間がなくなります。アカウント数による機能の制限は無いと公式に書かれています。
料金は初期費用・月額・オプションの3つで構成されていますが、金額は公開されていません。住宅会社・リフォーム会社・専門工事会社で、協力会社と工程を共有して変更をすぐ全員に伝えたい会社に向いています。ANDPADの料金・総額を見る
KANNA(カンナ)
工程表・現場写真・報告書・チャット・日報を扱う製品です。工程表は全プランに含まれていて、Excelの帳票をそのまま入力画面にできるKANNAレポートもあります。電子小黒板はオプションで、AI音声入力もβ版(試験提供)として案内されています。
初期費用と導入サポート費用は全プランで0円です。プランは自社10アカウントから(ライト・200GB)、20アカウントから(ベーシック・400GB)、25アカウントから(エンタープライズ・1,000GB)の3つで、月額は見積もりです。協力会社のアカウントは無制限なので、外の会社を多く巻き込む会社ほど得をする作りです。KANNAの料金・総額を見る
Kizuku(キズク)
チャット形式のトークを軸に、元請・協力業者・職人さんが現場ごとに写真や図書を共有する製品です。入退場管理、音声・ビデオ通話、AIアシスタントがあり、WindowsのPC版トークアプリも用意されています。
工程管理・電子受発注・施工や検査の報告書・安全衛生管理・実行予算管理は、オプションで足していく形です。料金は初期費用・月額・オプションの構成で、金額は問い合わせです。電話とFAXでのやり取りを、まずチャットにまとめたい元請会社に向いています。Kizukuの料金・総額を見る
ダンドリワーク
工務店の子会社として生まれた製品で、元請と協力会社の工程・図面・受発注の共有に絞っています。工程表を直すと関係者に通知され、既読確認ボタン付きのコメントで伝わったかが分かります。協力会社は1つのログインで、複数の元請の現場を見られます。
料金は初期費用20万円から、月額15,000円からと公開されています。人数に合わせた提案になるため、人数で増える分は公開されていません。協力会社とのやり取りが多い地域の工務店・リフォーム会社に向いています。ダンドリワークの料金・総額を見る
現場ポケット
塗料メーカーのアステックペイントが自社で開発・運用している製品です。報告書・日報・写真・トーク・工程・顧客管理を、1社定額で使えます。アカウント数・データ容量・現場数はすべて無制限です。
年間契約なら月13,500円(税抜)、月額契約なら月15,000円(税抜)です。電子小黒板や公共工事の電子納品の記載は無いので、民間の塗装・リフォーム・板金の会社で、職人さんまで全員を招待したい会社に向いています。現場ポケットの料金・総額を見る
サクミル
見積・実行予算・原価・請求・入金・工事台帳と、日報・スケジュール・出面をまとめて扱える製品です。公式サイトでは、写真やチャットから見積を作って直す「AI見積」も新しい機能として案内されています。
初期費用は0円で、20アカウントまで月9,800円(税抜)です。2か月の無料トライアルがあり、終わっても自動で課金されません。Excelで見積・原価・日報を管理している中小の専門工事会社に向いています。サクミルの料金・総額を見る
ミライ工事(ミライ工事管理)
工事写真のミライ工事写真と、点検表に特化したミライ工事管理を持つ製品です。黒板付きの写真と、ExcelやPDFの写真台帳をスマホで作れます。法人プランではトークとファイル共有も使えます。
法人プランは5人から、1人月2,750円(税込)です。協力会社はフリーアカウントで、人数の制限なく無料で招待できると公式に書かれています。写真と点検の記録を中心に、少人数から始めたい会社に向いています。ミライ工事の料金・総額を見る
Photoruction(フォトラクション)
ネットワーク工程表(作業のつながりを線で表す工程表)を、写真・図面・検査と同じクラウドで扱える製品です。配筋検査や施工計画書づくりの支援などを外に頼める建設BPO(事務作業の外部委託)もオプションで使えます。
初期費用は0円ですが、月額は公開されていません。契約は1年単位で、支払いは銀行振込のみです。ゼネコン・土木・設備の施工管理部門で、工程と写真と検査をまとめてクラウドに移したい会社に向いています。Photoructionの料金・総額を見る
SPIDERPLUS(スパイダープラス)
図面を軸に、写真・電子黒板・帳票・配筋検査・仕上検査・試験や測定の記録をiPadでまとめる製品です。公式サイトでは、配筋検査の事前準備をAIで進める「配筋AI機能」も案内されています。
料金は公開されていません。推奨環境はiPad・iPhone・Windowsで、Androidは推奨環境に書かれていません。設備・電気工事やゼネコンで、図面の上で検査や試験の記録を回したい会社に向いています。SPIDERPLUSの料金・総額を見る
PRODOUGU(プロドウグ)
建設システム(KENTEM)の、建築向けの施工管理の製品です。CAD図面(dwg・dxf・jww)を取り込んで寸法を測ったり、電子小黒板の黒板を一括で作ったりできます。配筋検査・仕上検査はオプションです。
本体は年60,000円(税抜)で人数無制限、スマホで撮る人の数だけモバイルアプリのライセンス(年36,000円・税抜)を足します。iPadで図面と写真と検査をまとめたい建築の施工会社に向いています。PRODOUGUの料金・総額を見る
eYACHO(イーヤチョウ)
紙の野帳の感覚で、手書きのまま図面・写真・報告書を作れる製品です。電子小黒板付きの写真と写真台帳、CSVからの黒板の一括作成、ビデオ通話のGEMBA Talkもあります。協力会社などの社外向けには、1ライセンスから買える限定ユーザー版があります。
法人版は最小5ライセンスで、初期導入費30万円(税抜)が初年度にかかります。タブレットで手書きの記録を多く使うゼネコンや専門工事会社に向いています。eYACHOの料金・総額を見る
クラフタ
LINEに近い操作感のメッセージで、職人さんとやり取りする製品です。チャットに送った現場写真が、現場ごとのフォルダに自動で入ります。案件・ファイル・顧客の管理もできます。
全機能が無料で、ツール内の広告で運営されていると公式に書かれています。費用をかけずに、職人さんとの連絡と写真の整理から始めたい工務店に向いています。クラフタの料金・総額を見る
CAREECON Plus 施工管理機能(キャリコン)
中小規模の現場に必要な機能に絞った製品です。工程表はガントチャート・カレンダー・カンバンの3つの見え方があり、出面はアプリ・代理・QRコードで打刻してCSVで出せます。ファイルはURLを送るだけで、相手にアカウントが無くても共有できます。
料金は「サービス紹介資料に明記」とされ、公式ページでは公開されていません。写真・図面・工程・出面をまとめて共有したい工務店や専門工事会社に向いています。CAREECON Plusの料金・総額を見る
アーキLink(アーキリンク)
案件・ファイル・帳票・経営分析を1つにまとめる製品で、Excelに近い操作感で案件のデータを編集できます。スマホからは施工中の写真や工事日報を送れます。導入後は専任の担当が定着まで付き、今のExcelからのデータ移行も手伝うと書かれています。
料金は企業ごとの見積もりです。Excelや複数のツールに散らばった案件の情報を1か所にまとめたい工務店・リフォーム会社に向いています。アーキLinkの料金・総額を見る
施工管理アプリの選び方|会社のタイプ別のおすすめ
施工管理アプリは、会社の人数と、外の人をどれだけ巻き込むかで、合う製品が変わります。ここまでの比較をもとに、よくある6つの会社のタイプに分けて整理しました。
| 会社のタイプ | まず見る製品 | 理由 |
|---|---|---|
| 一人親方・2〜3人の工務店 | クラフタ、ミライ工事 | 無料か少額から始められる。写真と連絡がスマホで完結する |
| 職人さんと協力会社を全員招待したい | 現場ポケット、KANNA、ダンドリワーク | 人数で料金が増えない、または協力会社のアカウントが無制限 |
| 見積・原価・請求も一緒に回したい | サクミル、アーキLink | お金まわりと日報・工程を同じアプリで扱える |
| 電話とFAXをチャットに置き換えたい元請 | Kizuku、ANDPAD | 現場ごとのトークと既読・通知が軸にある |
| 図面の上で検査を回す建築・設備 | SPIDERPLUS、PRODOUGU、eYACHO | 図面を取り込み、配筋や仕上の検査を記録できる |
| ゼネコン・中堅以上の施工会社 | Photoruction、ANDPAD | ネットワーク工程表や受発注まで扱い、組織で使う前提の契約がある |
表:会社のタイプ別に、まず見るとよい施工管理アプリ。料金を公開していない製品は、見積もりで3年間の総額をそろえて比べる。
表のどこに当たるか迷うときは、下の図を上から順にたどると、見る製品の型が決まります。
- 困りごとは職人さんとの連絡と写真かはい写真と連絡が軸の製品(クラフタ・現場ポケット・KANNA・Kizuku)いいえ次へ
- 図面の上で検査や工程を管理したいかはい工程・図面・検査が深い製品(ANDPAD・Photoruction・SPIDERPLUS・PRODOUGU・eYACHO)いいえ次へ
- 見積・原価・請求までまとめたいかはいお金まわりまで扱う製品(サクミル・アーキLink)いいえ次へ
どれにも当たらなければ、困りごとを1つに絞ってからもう一度たどる
人数で選ぶ:10人を境に考え方が変わる
社員が数人のうちは、1人ごとの製品のほうが安く済むことが多いです。人数が増えて、職人さんや協力会社まで入ってもらう段階になると、1社定額の製品の強みが出てきます。人数別の総額の表で、自社の人数の列を縦に見ると、この境目が分かります。
機能で選ぶ:困りごとを1つに絞る
機能の多さで選ぶと、使わない機能の分まで払うことになりがちです。最初は困りごとを1つに絞って、その機能が一番使いやすい製品を選ぶのがよいです。工程表の共有が困りごとなら、工程表を直したときに通知が届くかを最初に見ます。写真なら、黒板を入れて台帳まで作れるかが分かれ目です。
施工管理アプリを選ぶときの確認リスト
- 一番困っていることは何か(連絡・写真・工程・図面・お金)
- 使う社員は何人か。招待したい協力会社は何社・何人か
- 協力会社のアカウントは料金に数えるか
- 職人さんの端末はiPhoneか、Androidか、両方か
- 公共工事で電子小黒板を使うか
- 3年間の総額はいくらか。初期費用とオプションは別か
施工管理アプリの導入でつまずきやすい点と直し方
施工管理アプリは、入れること自体より、現場に根づかせるところで止まりやすい道具です。どの会社でも起きやすい失敗を4つ挙げて、それぞれの直し方を書きました。
失敗1:職人さんが使ってくれず、電話と二重になる
一番多いのがこの形です。監督はアプリに書いたのに、職人さんは見ていないので結局電話する。これが続くと、アプリは「監督の手間が増えただけ」になってしまいます。
直し方は、最初の1か月だけ「連絡はアプリだけ」の現場を1つ決めることです。全部の現場で一斉に始めるより、1現場で慣れてもらうほうが続きます。LINEに近い操作の製品や、相手にアカウントが要らないURL共有のある製品を選ぶと、入ってもらう壁が低くなります。
失敗2:招待するほど料金が上がって、人を絞ってしまう
1人ごとの製品で、費用を抑えようとして招待する人を減らすと、招待されていない人の分を監督が電話で伝えることになります。料金を抑えたつもりで、手間が戻ってしまう形です。
直し方は、総額を「社員の人数」と「招待したい人の人数」の2通りで出しておくことです。招待したい人まで入れたときに1社定額のほうが安くなるなら、最初からそちらを選ぶほうが運用は楽になります。協力会社を無料で招待できる製品も候補に入れます。
失敗3:機能が多すぎて、誰も全部を使わない
工程・写真・図面・日報・見積と、全部を同時に始めると、覚えることが多すぎて止まります。直し方は、最初の1か月は1つの機能だけを使うことです。写真なら写真だけ、日報なら日報だけにして、慣れてから次の機能を足します。
失敗4:前のデータが引き継げず、Excelと二重になる
過去の現場の情報がExcelに残ったままだと、新しい現場はアプリ、古い現場はExcel、という二重管理が続きます。直し方は、申し込む前にデータの移行を手伝ってもらえるかを聞くことです。アーキLinkのように、移行の支援を公式に書いている製品もあります。
失敗5:公共工事の写真に使えないと、あとで分かる
施工管理アプリで撮った写真を、公共工事の工事写真としてそのまま納めようとして、改ざん検知(写真が撮ったままであることを確かめる仕組み)に対応していないと分かる形です。民間工事では困らなくても、公共工事では撮り直しや別のアプリでの撮影が必要になります。
直し方は、公共工事を請けるなら、申し込む前に電子小黒板と改ざん検知への対応を確かめることです。この記事の14製品では、ANDPADとミライ工事が改ざん検知への対応を公式に書いています。写真まわりの条件は電子黒板アプリの比較で、国土交通省の通知と合わせて詳しく整理しています。
施工管理アプリを決める前にやること|1か月の試し方
施工管理アプリを決める前に、候補を2つに絞って、1か月だけ実際の現場で試すのが一番確かです。資料と画面の説明だけでは、職人さんが使ってくれるかどうかまでは分かりません。
例として、社員8人・協力会社15社の工務店(例:○○工務店)が、新築1現場で試す場合の1か月の流れを書きました。
| 時期 | やること | 見ること |
|---|---|---|
| 1週目 | 監督2人と事務1人だけで使う。現場を1つ登録し、図面と工程表を入れる | 工程表を作るのにかかった時間。今のExcelより速いか |
| 2週目 | その現場に入る協力会社3社を招待する。連絡はアプリだけにする | 招待から使い始めるまでの手間。既読が付くまでの時間 |
| 3週目 | 写真と日報をアプリで集める | 夕方の写真の取り込みと、日報の転記がどれだけ減ったか |
| 4週目 | 月末の締めをアプリのデータでやってみる。見積もりを取り、3年総額を出す | 月末の集計の時間。3年総額が、減った手間に見合うか |
表:施工管理アプリを1か月試すときの流れの例(社員8人・協力会社15社の工務店の場合)。
この試し方で大事なのは、4週目に「減った時間」と「3年総額」を並べることです。たとえば、写真の取り込みと日報の転記で、事務の人の作業が月に何時間減ったかを数えます。その時間と3年総額を比べれば、社内で決めるときの材料になります。
次にやる1つのことは、自社の「社員の人数」と「招待したい協力会社の人数」を紙に書き出すことです。この2つが決まれば、記事の下の総額の比較表で、どの数え方の製品が安いかがすぐに分かります。そこから候補を2つに絞り、無料トライアルか見積もりに進むのが近道です。